
「こんな未来の変化を起こしたい!」——2月24日、江戸川大学の会場に集まった学生たちのプレゼンテーションには、そんなワクワクするアイデアが詰まっていました。地域の課題に向き合い、社会に新たな価値を生み出そうとする若き挑戦者たちのプレゼンテーション。日頃の各校での活動が、未来へ繋がるインパクトを生み出す確かな一歩一歩であることを、お互いに感じられる時間となりました。
社会課題と向き合う、社会起業家を志す高校生、大学生たちが、どのようなビジョンを描き、どんな挑戦をしているのか——その情熱に満ちた一日をレポートします!
ピリアロハ(日本体育大学柏高校):「フリーランスの方同士のコミュニケーション活性化に向けて」

1年次の起業家探究学習のプロジェクトとして、フリーランサーが集いITプロジェクトに取り組む企業内のコミュニケーションの課題に、果敢にチャレンジをした内容を報告しました。
コロナウィルスの流行以降、多様化した働き方。その一つの形として、多種多様なロケーションで活躍するメンバーがオンラインでコミュニケーションを取りながら運営される形態の企業も出てきました。訪問先の企業では、国内に限らず海外を拠点にするプロジェクトメンバーも含まれ、闊達なコミュニケーションを図るのに課題を抱えていました。そのような課題に対して、自分たちの視点で、解決手段を提示してきた、これまでのプロジェクト活動の過程を報告致しました。
チーム オーシャンズ(県立小金高校):「マイクロプラスチック・アクセサリー 海の豊かさを守ろう」
小金高校では4代目となる、オーシャンズによる海洋プラスチック問題に対する取り組みを発表いたしました。
実際に自分たちで、砂浜に行き清掃活動を実施し、そこで集めたプラスチックごみを、アクセサリーとして商品化をしています。そして、その商品を啓蒙活動の一環として、地域のイベントなどで販売し、得られた収益は、浦安にある、志の同じ海を守る活動を行う団体へと寄付をしています。
特に小学生などにも分かりやすく伝えるには、自分たちが高校生であることで、より分かりやすく伝えることができることを強みとして、身近に問題を感じてもらえる工夫をしています。今後は、アクセサリーを扱う事業者さんとのコラボレーションのお話もあるとのことでした。
チーム Lemon-lemon(県立小金高校):「レモネード活動による病児家族の支援について」
幼くして病気と闘う病児とそのご家族をサポートする活動「レモネードスタンド活動」。
高校1年生が、実際にその活動をプロジェクトとして実行をしてきた内容をお話しました。
地域で栽培されている優レモンと呼ばれる、レモンを農園に掛け合い購入し、レモネードの作り方を教わってきました。地域のイベントでレモネードを作って販売を行いました。得られた収益は、地域の病院や、病児支援施設へと寄付を行いました。地産地消にも意識を向けて取り組んだことに、発表を聴いていた他校の生徒からも称賛の声があがりました。
今後は、イベントでの資材のリサイクルの課題などにも取り組んでいこうと考えています。
TSUDOI Project(多田健真、SOCIAL STARTUP STUDIO KASHIWA):「不登校小中学生の居場所作り」
不登校になった自身の友人とのエピソード等、自身の原体験から課題意識をもち、スタートしたプロジェクトでは、これまでに不登校の生徒向けのe-sportsイベントを開催するなど、目指す居場所のコンセプトを実際に確かめるイベントを実施してきました。
自らが主催してきたイベントの中で起きた、行動変容の形など、得られている手ごたえの内容を発表の中で共有を致しました。今後ビジョンに共感し、共に活動をしたい方への呼びかけもありました。
茶っぴーの輪(県立柏の葉高校):「地域の活性化を目指して(高校生主催の街文化祭の開催~テラスをてらそうフェスタ~)」
柏の葉キャンパス駅周辺は、学術や商業の拠点でもありながら、新興住宅街でもある地域。この地域の街づくりに高校生として参加をしてきたプロジェクト。地域内にある柏の葉アクアテラスを舞台に、高校生が主催する「街文化祭」を開催し、運営を行ってきた活動を発表しました。
地域の行政機関、企業、団体、大学とも連携をしながら、街に関わる幅広い世代の方に楽しんでもらえ企画を自分たちで立案し、実行してきました。地域の高校生が率先して企画をリードした取り組みには、他校の生徒の皆さんからも驚いた声が寄せられました。発表も終始、明るく分かりやすいプレゼンテーションを行っていました。
Dチーム(江戸川大学):「大学生が高齢者女性たちを笑顔美人に」
江戸川大学の山田ゼミのチームによる発表。高齢者のコミュニティの必要性から、その交流の仕掛けを模索していくプロジェクト。昨今、高齢者に対しても普及率が伸びているスマートフォン。しかしながらSNSやアプリケーションは、そうした高齢世代に対して、あまりフレンドリーなコンテンツを提供できていないという課題点に着目しました。
高齢世代にとって、楽しく親しみやすいアプリケーションがどうあるべきか。その一つとして、リアルで行われているコミュニティの活動を想定した、コンテンツにしていくことを掲げています。今後の具現化に向けてチャレンジは続いていきます。
田中芹菜(SOCIAL STARTUP STUDIO KASHIWA):「心の余裕をつくるAIチャットボット」
自分自身が日ごろのコミュニケーションの中で感じていた課題感をきっかけに、高校時代から検討をしてきたチャットボット。人には気を使ってしまうことも、AIだったら気兼ねなく相談できるのではないか?そんな思いから作成されたAIチャットボットを、実際にデモンストレーションを混ぜながら紹介をしました。
今後、様々な要望に向き合えるように、より多くの方に試しに使ってもらいながら、フィードバックを得たいという事で、会場ではモニターの募集も行われました。
サービスの具現化に向けて、アップデートをしていくことになります。
フィードバックと交流の時間
全ての発表が終了後には、所属する学校やプロジェクトの枠を超えて、お互いにプレゼンテーションや内容の良かったポイントを伝えあい、その気づきから自分たちのプロジェクトに取り入れられそうなことを発見する、相互フィードバックの時間を過ごしました。
協力できることや改良点、気づきなど、第三者の視点から相互にフィードバックをしました。
SSSK賞の受賞式
本イベントで優秀な発表に贈られるSSSK賞には、チームオーシャンズが輝きました。オーシャンズの皆さんには、3月23日に柏の葉カンファレンスセンターで行われます、SOCIAL STARTUP STUDIO KASHIWA第2期活動報告会でのプレゼンテーションの機会を、実行委員会より提供されます。
活動報告会の詳細はこちら
各校のプロジェクトの皆さん!素敵なプレゼンテーションをありがとうございました!
また、当日ご列席を頂きました引率の先生方にも、心よりお礼を申し上げます。
今後、私たちSSSKと各校が、さらに連携を深めることで、こうしたプロジェクトの様々な課題意識から有効な解決手段が生まれ、実行できる人材が多く輩出される社会の実現に向けて、共に歩んでいきたいと思います!
תגובות